第23話

目が覚めると、海斗と、一樹さんの間で、横になっていた。二人とも、上半身裸で、大きい体を丸くして、僕にしがみついている。二人の素肌の感触が、何とも心地よくて。

暑苦しいと感じないのは、冷房が適度にきいているせいかも。


シーツは新しいのに交換してあって、さらさらとした触り心地がいい。

一樹さんの白のシャツかな⁉一枚だけ羽織る感じで着せて貰ってて、下着も新しいのに交換してあった。


海斗さんと、一樹さん・・・。

本当に、僕、二人と・・・。


昨日の事を思い出しただけで、顔から火が出そうになった。体が鉛のように重く、ズキズキと、下肢の痛みが半端ない。お腹の中に、二人の分身がまだ挟まっているような、そんな感覚に、改めて、羞恥心が込み上げてきた。


海斗と、一樹さんと、つきあう意味は⁉


二人が、大好きだから。

側にいたいから。

それ以外、何もない。




「・・・ナオ⁉」


ごそごそと、二人の背中が動く。


「起きた⁉」


海斗と一樹さん、双子みたい。同音で、動きも一緒で。


思わず吹き出しそうになり、必死で抑えた。


「何、ナオ⁉」


怪訝そうに、むすっとする二人。


「だって、二人が、双子みたいなんだもの」


「俺らが⁉」


「うん、ほら、また一緒」


海斗が、一樹さんの名前を口にすると、同時に、一樹さんが、海斗の名前を口にする。


面白い。

この二人。

意外とうまが合うのかも。


「ナオ、ハグ」


海斗が、むぎゅーと、前から僕を抱き締める。


「ハグ、いつも、してるの⁉」


「うん、これが、また、たまらん」


すりすりと、頬を胸元に、擦り付ける海斗。


「じゃあ、俺も、混ぜてもらおう」


後ろの一樹さんも、背中に、むぎゅーと抱き付いてきて、頬をすりすり。


「うん、微かな石鹸の匂いがいい」


「俺、この匂い大好き」


「海斗が羨ましい」


「なんで⁉」


「ナオを独り占めしてたから」


「何一樹、ヤキモチ⁉」


「そういう、海斗だって」


かぷっと、一樹さんが、軽く肩に歯を立てる。


「もう、くすぐったい」


思わず身を捩った僕は、海斗の中心に手が触れてしまい、臀部も、一樹さんの中心に押し付ける格好になってしまった。


「ご、ごめんなさい」


ただでさえ狭くて、こんだけ体が密着しているんだもの。

ドクンドクンと早鐘を打つように、二人の心音がどんどん速くなっていく。


「ナオ、可愛い」


口火をきったのは、一樹さんで。そろりと、下着の中に手を入れてきて、双丘を撫でながら、しっとりと汗ばむ、秘所の蕾へと指先を這わせてきた。


「だめぇ。一樹さんのおうちに挨拶にいかないと。おばさんにも、言うんでしょ」


「煽ったナオが、悪い」


二人同時に、耳朶を甘噛みされ、はぁっ・・・んと、思わず、溜め息混じりの声が漏れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る