雄朝津間皇子
第47話
その後
その為、またいつ何どき
その為に宮の者達も日々妙な緊張感を持ちながら過ごしていた。
そしてそんな中、今度は皇子の身内からの訪問があると連絡が届いた。
「何でこんな時にやって来るんだ……」
瑞歯別皇子は部屋で一人やれやれと頭を抱えていた。
すると、皇子の家臣が彼の元にやって来た。
「皇子、弟君の
「あぁ、分かった。ここに通して来れ」
瑞歯別皇子がそう伝えると、家臣は「分かりました。直ぐこちらにお連れします」と言って部屋を出ていき、しばらくして1人の少年を連れて戻って来た。
「兄上、お久しぶりです」
瑞歯別皇子の前に、その少年が座った。
見た目は11、12歳程の、まだ幼さの残る面影があった。
「雄朝津間、何でこんな時にやって来るんだ。危ないとは思わなかったのか」
住吉仲皇子の謀反や、嵯他彦の事件があった直後の為、皇子も何かと気が気でない。
「住吉仲の兄上の謀反があり、さらに先日は兄上自身も命を狙われたそうじゃないですか。
だから今後同じ事が起きないよう、僕自身は兄様2人と対立する気はないって伝える為、それでわざわざ来たんだよ」
雄朝津間皇子は、ちょっとむすっとしながら答えた。
「人を疑ったり、憎んだりする事もしないお前が、謀反なんて起こすとは誰も思ってない」
(第一それなら、こんな簡単にここに通したりはしないだろうに)
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