第75話

思わず夢中になって読み進めてしまった。


痛いほど、共感した。


まるで私の心の声を代弁してくれているように思えた。



カナメが2枚目のステーキを食べ終わったのにも気づかすスクロールしていると、



「何見てんの」と声をかけられて、私は彼にもメッセージを見せた。



「いいじゃん、自殺のモチベーション上げるためにも、そういう子とやりとりすんのも俺はありだと思うけど」


「そうかな。でも確かにちょっと話してみたいなって思ったりして」


「相手がちょっとヤバそうなやつだったとしてもさ、どうせ死ぬし、関係ないんじゃん」



今まで顔も知らない誰かとやりとりをしてみた試しは一度もない。


親にもスマホを持たされた当初からSNS上の知らない人との交流はきつく禁止されてきたし、犯罪に巻き込まれるリスクを背負ってまでやりたいとも思わなかった。

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