第84話
「え?まじ?じゃあ私の結婚式見たの?」
「ううん、これから」
「誰、相手は?」
「私も知らない人」
「えー嘘。てっきりコウ君かと思った」
再び唇を尖らせて肩を落とす榛野。
「え、なんで?」
「だって結構かっこいいし、タイプだもん」
「でも結婚出来るんだから良いじゃん」
「じゃあ絵里は?将暉君と結婚してるの?」
そう言われて私はなんと言っていいかわからずに口ごもる。
「してないの?」
そう尋ねられ、私は正直に頷いた。
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