第13話

そのあとも御手洗の話を聞いてもらいながら健の愚痴を吐き出していた。美羽と話したおかげで精神が落ち着いてきた。




この空間は、とても居心地がよかった。部屋に掛けられている時計を見上げると午後六時半を回っていた。




もうすぐ健が帰ってくる。もう帰ってきているかもしれない。だけど、あの家には帰りたくないと思ってしまった。




「紫乃、そろそろ健くん帰ってくるんじゃない?帰らなくていいの?」



「……まだ帰りたくない。」



「ご飯食べていく?今日は、ハンバーグするけど。」



「いいの?ちょっと健に遅くなるって電話してくるね。」

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