友達の部屋は、ちょっとどころの騒ぎではないほど散らかっていた。服やバッグがそこらじゅうに散乱していて足の踏み場もなかった。

「アイスコーヒー入れるね！！ソファー座ってて！！」

「あれ？今日は蓮いないの？」

「紫乃が遊びに来るって言ったら速攻で出ていった。そのうち帰ってくるよ。所持金１０円だから。」

「相変わらずニートか……。美羽も大変だね。」

前田（まえだ）　美羽（みわ）(23)。同い年で中学時代からの友人。すれ違う人が振り返って見てくるほど可愛い顔をしている。

職業はキャバクラ。塗木（ぬるき）　蓮（れん）というイケメン彼氏と２Kのアパートで同棲している。

美羽の彼氏は私の幼馴染みでもあるが、とんでもないクズだ。ちゃんとした職にもついたことないし、バイトを始めても３日以内で辞めるから生活費などはほとんど美羽が出している状態だった。

美羽に誰か紹介してとしつこく言われ続けたことから、蓮を紹介してしまったが、そのことを未だに後悔している。

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