第92話

綾子はNoisy Windと直接会話したことがあるので心当たりが無くはない。しかし、桔梗から好意を持たれていたとは信じられなかった。


「……恋愛するなら今じゃないかな。白い空を選ぶかNoisy Windかなんて贅沢だけどさ」

 弥生がSNSで言った。綾子は軽い目眩がした。今まで自分は女から女として見向きもされなかった。それが突然、一流のアイドルが振り向いた。


「何かの間違いじゃないかな」

 綾子が言うと弥生は、

「桔梗の話し方だとどうしても貴方なんだよね。大阪の運転手とかハッキリ言ってたし」


 綾子は弥生に礼を言うと、蕗江にメールした。

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