綾子は溜め息を吐いた。蕗江は、

｢まあ、私が男嫌いだからと言ってレズビアンになるのは、ふざけている気がする｣

　綾子は、

｢そうだね｣

　少し安堵した。安易な同性愛賛美は不快だ。

｢私達は友達だよね｣

　蕗江が言った。綾子は、

｢私を依怙贔屓して良いの？｣

　蕗江は肩をすくめて、

｢もう、三度も二人きりで会ってるし、カミングアウトもしてくれた｣

　綾子は短く笑い、

｢それじゃあ、これからもよろしく｣

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