第64話
蕗江と綾子はしばらく黙って食べた。確かに寿司は美味い。蕗江ばかり喋らせるわけにはいかない。綾子は気まずくなって、今まで蕗江が作った楽曲を誉めた。
ブスの怒りや立ち直りを描いた作品は初期に多い。容姿を何度も誉められたことのある綾子も共感した。
男にからかわれた中年の女が、一念発起して、男達を部下にする。友人や自然に慰められてありのままの自分を受け入れる。綾子は職場の先輩にこの楽曲を紹介した。
介護疲れした娘と介護されて恥を感じる母の葛藤と和解。綾子が母親にそれを聴かせると、母親も共感した。
挫けそうになりながらも、たくましい職業婦人達。綾子は仕事中に何度も励まされた。
聡明な専業主婦に、赤貧と戦う低所得の女性に、日々工夫する女性障害者に、機転の利く風俗嬢。綾子は蕗江の楽曲をどれも気に入っている。
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