第93話

カヅコは幼い時から弱音を吐かず、明るく振る舞っていたが、今では更に堂々としている。


 兄のキスケには嬉しいことだが、危うさも覚えた。


「父さん、チヒロはやっぱり変わっているよね」

 父親のイスケは布団から半身を起こしていた。相変わらず病弱で、キスケの介抱を受けている。イスケは近くにある都市の役所を設計し終えて疲れていた。それから回復途上であった。報酬は税抜き後でも沢山もらえたが、ほとんどは村の設備に寄付した。妻も子ども達も賛成している。

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