第84話

カヅコには選挙も政治も遠い概念だった。家族が無事ならばそれで良かったし、女学校に通えて満足だ。


 ルミコはカヅコの想像以上に幼子の面倒見が良い。カヅコが徐々に読み書き出来るようになってきて家族が喜んでいる。家事と勉学で疲れて士気が低下しても同窓生や家族が叱咤激励してくれる。


 学校から帰ってきたチヒロが時々、カヅコの母親のミサオを手伝っている。草むしりしたり剪定したり水やりしたり肥料を撒いたり…都会で育ったチヒロにとって農作業は面白いようだ。ミサオも作業を手取り足取り教えて可愛がっている。小金井家と昼飯や夕食を摂ることもある。

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