第82話

「今ぐらいが丁度良い。くれぐれも弱い者にはやらないでね」

 ヒロミが低い声で言った。


 カヅコを含む少女達はこの刺激的な女学校を楽しんだ。


 カヅコは読み書きが好きだったが、やがて自分が計算と武術が得意なことに気付いた。


 女学校と言えば花嫁修業。正規の学校でも塾でも掃除・炊事・裁縫・舞踊・生花…を重点的に習わせる。しかし緑湖では自然科学・人文科学・社会科学、武術と魔術を教える。


 チヒロは夢京にいた時からヒロミの強い要請でそういった実学を学校で学ぶ機会を得ている。

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