第80話

カヅコは武術には興味がなかったが、ヒロミがゆっくりと丁寧に教えるので出来るだけ真面目に取り組んでみた。


 ここが急所、それは危険、こうすると効果が増す、ああすると身体が壊れる…ヒロミが淡々と語る。


 ヒロミに真顔で、向かってきて蹴飛ばせ、と言われた時は困った。カヅコは人を蹴ったことも人に蹴られたこともない。他の少女達も同様だ。カヅコにとってやや不思議なのは親兄弟に暴力を振るわれた者ほど怯えている。日頃の怒りを炸裂する気は無いようだ。

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