キスケは、

｢それって迷惑じゃないか。チヒロちゃんの都合もあるだろうし｣

　ツルコはうなだれて、

｢そうだね｣

　ヒスケは、

｢チヒロさんはすぐに帰っちゃうんでしょう。あーあ、魔術が見たいなあ｣

　キスケは呆れて、

｢おいおい。チヒロちゃんは見世物じゃない。それに魔術はミユキ婆さんが出来るだろう｣

　ヒスケは唸った。ヨスケは、

｢どうしてチヒロさんは家族と一緒に住まないの｣

　キスケとカヅコは息を飲んだ。チヒロはヒロミが結婚せずに生んだ子だ。体裁を気にする大人の空気を2人は感じ取っているが、ヨスケはまだ幼い。

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