新しいプロジェクト
第24話
■新しいプロジェクト
短い休日はあっという間に終わった。
さて、寝るか。と言う時点で布団に潜り込もうとしたとき、いつもなら完全消灯にするはずが、
私は何となく、明かりを消すことに
明るさ調整を全開にして、布団を頭からかぶり眠りに入るのを待った。
―――が、布団越しの明るさか、それとも変な夢を見たくないと思って体が拒絶しているのか、今日は寝すぎたからか、その日明け方まで眠りにつけなかった。
―――月曜日
寝不足なのか、目の下にちょっと隈ができてる。
「うーん……コンシーラーで誤魔化すかぁ」
ブツブツ言いながら化粧ポーチが転がっている場所に手を伸ばすと、指先に何かが触れた。
訝しく思ってその”何か”に触れた場所に視線を移し、あたしはまた目を開いた。
”真珠”―――
声にならない声をあげて、その手を慌てて引込める。
思わずきゅっと目を閉じ、次に恐る恐る目を開けると、そこには
パールの……ピアス??
確かめるまでもない、私のピアスだ。
「何でこんな所に?」
そう言えば、お気に入りだったこのパールのピアスの少し前、片方だけを無くしてしまって、探し回ってたっけ。
「…こんな所にあったんだ」
ピアスを拾い上げ、
でも―――……何で急に?
いや、深く考えるのは止そう。
一昨夜に転がってきたのはこのパールだったんだ。
うん、間違いない。と言い聞かせるも、
寝室は隣だ。今いる所はリビング。
どうしてこんな所に―――……
いや…やはり考えるのは止そう。
寝不足のせいかな。
寝ぼけていたに違いない。
うん、そうだ。
と無理やりそう片付けて、私は途中だった化粧を再開させた。
――――
――
会社に出社すると通常なら(余程のことがない限り)朝礼はやらない職場だが、朝イチで『会議』があった。
「塩原、前川、それから弓削、ちょっと来てほしい」
と営業部長に名指しされ、各々が『自分?』と呼ばれたことを不思議がっていた。
連れてこられた大きめの会議室には、すでに人が居て…
開発部…?それから外食事業部…その2部署、それぞれやはり三~四人と言う人数で席についていた。
それ程接点はないが、何となく顔を覚えていた。
営業部長と開発部長、外食事業部長が揃って前に出て、ホワイトボードとスクリーンの前に立っている。
すでに用意された資料を見ると
”高級飲料、100%ラフランスジュースの発売、新店舗”Café de Hybrid Tea”のプレ・オープンパーティー”と題材が書いてあった。
プレ・オープンパーティー?
思わず隣に座った(と言うかそれが当たり前だった)塩原に顔を向けると、塩原も目をぱちぱちさせながら私の方を見ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます