第58話
だからではないが、少し俺は凜太郎が心配でもあった。
なんと言えばいいのか難しいが、壊れてしまうんじゃないかという不安があったんだ。
それは大人になるにつれてよく思うようになっていた。
女ともどこか一線引いて、友達も俺と銀之助の2人以外とはつるむ事さえしなかった。
凜太郎にそれを聞けば「大切な者が増えればそれは弱みが増える事だ」そう言い切るんだ。
俺はそれが悲しい言葉だと思った。
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