第6話

「再会してから、ミサキがどれだけ嫌だったかとか聞いていたからね。

それほど嫌がっていたのに、こっちの世界へ戻る事を決めさせる程大切な人ができたってのも複雑でね……」




そう言う雅人さんは本当複雑そうにしているのが、表情からも伝わってきて、なんだか心が温かくなった気がした。




「ふふ、雅人さん。

色々想ってくれてありがとう。

それにね、私雅人さんの事お客さんの時よりも再会してからはもっと好きになったよ。こうして毎日じゃなけれどもたくさん二人でお話して今は雅人さんの事も元お客さんとしてなんて見てないんだよ」




そう私が言えば雅人さんは困ったように眉毛をへの字にしていた表情を、一瞬にして花が咲いたような笑顔に変えた。

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