第21話


俺の質問に二人して顔を赤らめると、



「い、言うべきかな?」



「そんなの嫌よ」



「だってこいつは柏木さんのこと赤裸々に語ってくれたぜ?」



赤裸々って…



聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるぜ…





「別に。話したくなきゃ話さなくていいよ。大体想像はつく」



俺はちょっと面倒くさそうに言うとタバコに火をつけた。




「想像て?」



綾子がちょっと顎を引いて、俺を見てきた。



俺はことさら他人事のように口を開いた。



じゃなきゃ、こっぱずかしくてこいつらの顔を見れねぇ。



「だてに歳は食ってねぇよ。男と女がくっつくタイミングていやぁ、つまりそういう具体的な何かがあったってわけだろ?想像したくないけど」



「……想像しないでくれ」



裕二が額に手をやった。



「……桐島くんの結婚式あったでしょ。あんたは三次会、四次会だっけ?ま、いいか。それで帰っていったけど、あたしと裕二はその後裕二のマンションに行って……」



と言って綾子は言葉を濁した。



…………



「ヤっちゃってわけ??」



「そんなストレートに言うなよ!」



裕二が俺に向かっておしぼりを投げつけてくる。



「何だよ…ビンゴかよ」



俺は顔の前でおしぼりをキャッチすると、再び二人を交互に見やった。



綾子は顔を赤らめて



「私!お手洗い!!」



と言って席を立った。



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