契約彼氏とロボット彼女

風音

表紙




小さな籠の中の鳥は


生まれた瞬間から


籠の中の世界しか知りませんでした。





毎日与えられたものだけを頂いて


危険を伴うことなく


喜びも悲しみも


感情に強弱を覚えることはなく


自分でも気付かない間に


意思が挟まれない生活を余儀なくされていた。







しかし、そんなある日


小さな冒険心が生まれて


一瞬だけ外の世界に羽ばたいてみたら


自分の中の常識が非常識だという事に


気づいてしまいました。





だから


今日も小さな勇気と


大きな恋心を抱えて


あなたに会いに行きます。





毎日たったの三分間。


それは、臆病な殻を破る時間。







あなたとすれ違えば胸がときめき


あなたがいない日は悲しくなる。






籠の中の鳥として育てられてきた私に


残された時間は一ヶ月間。




…もう時間はありません。






だから


その一ヶ月間だけでもいいから


あなたの傍に居させて下さい。





一生に一度きりのお願いです。





100万円と引き換えに


私だけの契約彼氏になって下さい。







執筆開始 2023/2/8

完結 2023/3/30



※この物語はフィクションになります。

物語に登場する人物名、団体名、施設名は架空のものとなります。



- Photo by yutti -


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