運命のくじ引き

第73話

ーー同日の五時間目の学活の時間。


担任は黒板にカツカツとチョークの音を立てながら、一班から六班までの班を順番に書いていく。

全て書き終えてからチョークを置くと、教卓に両手をついた。




「今月末は待ちに待った修学旅行です。今から自由班を決めましょう。班は人数が平等になるようにクジ引きで決めます。一班は大体五〜六人程度ですね」



「えーっ!クジかよ〜」


「好きな者同士のグループでいいじゃん」


「俺は丸井と同じ班になりたくねーよ」


「鈴木。俺と一緒になるのを嫌がるなって」




谷崎くんと同じ班になれば話せる機会が更に増える。

ご飯だって一緒に食べれるし、グループ写真だって一緒に撮ってもらえる。


私達、同じ班になれるかな……。




教室内でたらたらと不満が飛び交う中、愛里紗は心の中で翔と同じ班になるように懸命に祈る。

だが、神様に祈ってるのは自分だけじゃないとも思った。




クジは廊下側の一番前の人から引いていく事に。



愛里紗は二班の名前欄に翔の名前が入った事を確認。

紙袋は回りに回って自分の番になり、祈りながら手を突っ込む。


ガサゴソとよ〜くかき混ぜて一枚引いた四つ折りの小さな紙をゆっくり開くと、二折目のところで透けた横線が一瞬見えたので、自然と顔が綻んだ。


しかし、紙を広げて目を凝らして見ると、そこに書いてあった数字は…。




【三班】




愛里紗は多大な期待をしていただけに、当てが外れた瞬間ショックを受ける。




ガーン…。

思いっきり期待外れ。

うっすらと横線が見えた瞬間、谷崎くんと同じ二班かと思って喜んじゃったよ。



さすがに私ばかり幸運は続かないか。

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