混雑している神社
第66話
神社の小さな敷地の通路の両側には、所狭しと十もいかないほどの小さな規模の露店が並んでいる。
今年は初めて夏祭りに参加したけど、わんさか押し寄せている来場者数からすると、出店数は少ないような気がした。
露店前に行き交う人混みに飲み混まれてしまい、避けようとして身を縮こませていても、お互いの身体がぶつかってしまう。
私達三人は人混みではぐれないように、時たま手や腕を掴んでお互いの居場所を確認し合った。
焼きそば屋さん、お好み焼き屋さん、たこ焼き屋さん、フランクフルト店、わたあめ屋さん。
夕飯時の今はどの店も行列に。
食べたいものがあっても店には十数人の行列が出来ているからすんなりとは買えない。
鼻に漂ってくる食べ物のいい香りを嗅ぎながら、ぐーぐーとお腹を鳴らして自分達の順番を待つしかない。
数少ない出店数の中、ヨーヨー釣り店でお手伝いをしている谷崎くんは、少し忙しそうに接客をしていた。
「あれ、谷崎くん何してるの?」
ミキが一番最初に気付いて声をかける。
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