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第10話

「............くん......枯野くん?」


重たい瞼を無理矢理開ける。


ぼやけた世界の中に、自分の腕と看護師さんの顔が見えた。


体を起こす。手前に、少しシワのついた課題の山。


勉強中に寝ていた。


最近、ユウのことばかり考えていて、寝不足だったのだ。


「......あ、大丈夫です。最近ちょっと寝不足で......」


「大丈夫?あんまり無理しないでね」


そう言って、看護師さんは出ていった。


.......本当に思いつかない。


ユウの未練のこと。


生前の行動からも、幽霊になってからのことからも。


......いい方法ではないかもしれないけれど、本人に聞くのが一番早そうだ。

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