第36話
ほんと…、自分勝手。
誠意でも見せるように聞きたくもない話をベラベラと話して、聖也君は『別れたくない』ってあたしに泣きついた。
あたしじゃなきゃダメだって、土下座して、泣いて、別れたくないって縋り付いて、地獄にでも突き落とされた気分だったあたしに永遠とごめんごめんって謝ってた。
裏切っておいて滑稽。
バレなきゃ大丈夫とかバレたら許して貰おうとでも思っていたのか、とにかく好きなら許せって感じだった。
その土下座にいったい何の価値があるのか。
その涙にいったい何の意味があるのか。
その謝罪にいったい何の慰めがあるのか。
それなら、ただ純粋に好きだったあの頃の聖也君を返してよ。って気分だった。
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