第86話

“三ツ星は特別”



その言葉の意味は分からないが、やはり出会いは運命だったのかも知れない。




「いや…、作られたシナリオか」




先輩の姿が見えなくなり、夜道を去っていく“もう1つの足音”に意識を注ぐ。



その足音が完全に消えたのを確認してから、そっと振り返った。



ずっと私の跡を“つけていた”人。


気の所為かと思ってたけど、流石に同じことが3度も続けば気づく。



一体誰なのか分からないが、その人が先輩と私を出会わせる為に動いていたのは確かだ。


じゃなきゃ…、このタイミングですんなりと去ったりしない。




“悪いお友達と関わってはいけないよ”



鬼婆みたいに厳しいお婆ちゃまが言ってた言葉を思い出す。

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