第54話

「じゃなきゃ…、いつまで経っても会いに行けないじゃないですか」


「………」


「私の事が嫌になって居なくなった訳じゃないって確証を得なきゃ、会いたくても会いに行けないでしょう」




暗くどんよりと沈んでいく。



心の中でいつも思ってた。


私が妹で居たくないと我が儘を言った所為で、私と寝た事を思い詰めた所為で、居なくなったんじゃないかって。


自分が責めたから、自分が求めすぎたから、自分が重い罪を背負わせたから、堪えきれなくなって命を断たんじゃないかって。



違うと否定したくて、逃げたくて、犯人を探してた部分もある。


自ら命を断ったんじゃない、未来があるつもりだった、私の事が嫌で居なくなった訳じゃないと信じたくて。

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