第二章

第1話

カラダを重ねた夜。


お兄ちゃんは朝までずっと私を離さなかった。



それが決して許されない罪だと知りながら。背負った十字架が重いモノだと知りながら。



ただ甘く、何も見えていない振りをして、普通の恋人のように過ごした。



そして、朝が来て。


お兄ちゃんは窓辺で煙草を1本吸うと、私の頭をグシャグシャに撫でて部屋から出て行った。



その後に顔を合わせた時はいつもと同じ。



何事も無かったかのように、また普通の兄妹に戻ってしまった。



少しの気まずさと甘いもどかしさを残して。

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