第37話

空が赤く染まる頃。



繁華街のケーキ屋さんでミルフィーユを食べて、その後リップを取りにナオの家に来た。



来て早々、リビングに居たオバサンに『晩ご飯、食べていきなさいよ』と言われて今はナオの部屋の中。



裕也オジサンも仕事から帰って来たみたいでリビングから2人の楽しそうな話し声が聞こえる。




「あ、あった」




ベッドに凭れてネクタイを緩めるナオの隣に座り、携帯をポチポチと弄りながら、机の上に置きっぱなしだったリップを手に取る。



イチゴ柄のリップ。



やっぱりこのリップが1番使いやすいんだよね。



程よく潤うし、いい匂いがするー。



なんて機嫌よく塗ってたら後ろから抱き竦められた。

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