第25話

「卒業しちゃったね」


「そうだな」


「一緒に卒業するの3回目だね」


「うん」


「次の卒業式の時も変わらず隣に居たいな」


「居るだろ」


「居ると思う?」


「居るよ」





振り向いて言った私に蓮くんはキッパリと言った。


自信満々に揺るぎなく。


未来の約束でもするように。



そんな誓うようなことを言われるのは初めてで動揺。



しかも、いつもと違って視線も逸らさなければ歩幅まで合わせてくれる。



何だか不思議な感じ。


普段とは立ち位置も逆だ。


蓮くんが私の後ろに居る。




「ねぇ、蓮くん」


「何?」


「大好きだよ」




だからかな。


普段は口にしない気持ちを素直に言えた。


臆することなく正直に。



思えばハッキリ口に出して言ったのは初めてかも知れない。



言わなくても蓮くんは分かっていると思ってたし、2人で居てもなかなか告げるような雰囲気にもならなかったから。



返ってくる反応が少し怖かったのもあるかも知れない。

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