第8話

「飽きた?」




ふと優真が私から体を離して尋ねてきた。



少しだけ首を傾けて、悲しげな表情を浮かべながら。




「……何が?」




正直、何のことを言われているのかわからなかった。



優真はいつだって大事なことを言わない。




「ぼーっとしてたから」




寂しそうに言われて慌てて首を横に振る。




「してないよ……」




嘘。本当はしてた。



でも、悠真に愛されたいと考えてた、とは言えない。



こうやって、小さな嘘は積み重なって増えていくのに愛や絆はすり減っていく。



こんな関係を望んだのは、取り戻したかっただけなのかも知れない。



愛されていた時間を。




「してたくせに。もういい。お前いらない」




でも、時の流れは残酷に過ぎていく。

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