第13話

仕事休みの自宅

 

 ☆ pattern 1 ☆


「達樹、兄さん知らない?今日は半日offだって木崎から聞いたけど」


「いらっしゃいますよ。なんだか難しそうな経済誌を読んでます。目を通そうと思ってたのが溜まっちゃったみたいで」


「書斎にはいなかったけど」


「あ、私の部屋ですよ」


「…何してんのあの人」


「…?雑誌、読んでますよ?」



 ☆ pattern 2 ☆


「お帰りなさい。蓮太さん」


「ん。ただいま。何作ってんの?…紅茶にブランデー。達樹そんなの飲むのか?」


「飲みません。これ、小澤さんのです」


「そう。丁度兄さんに渡したい資料があるし、俺が持っていこうか?」


「ありがとうございます。でも大丈夫ですよ。軽食も一緒に運ぶので」


「りょーかい。ま、兄さんも君に持ってきてもらいたい筈だしね。先に兄さんの所に行ってるよ」


「あ、蓮太さん。小澤さん、私の部屋にいます」


「…何してんの?」


「──?モバイル利用して、何かお仕事してます」


「あっそ」



 ☆ pattern 3 ☆


「おはよう、達樹。今日も絹代さんに料理習ってるんだ。偉いね」


「シジミのおすましを教えてもらいました。小澤さん、小野寺さんとお酒を飲みすぎたみたいなので」


「へぇ。珍しい。で、まだ部屋で潰れてんの?」


「あ──…そうですね」


「何、その間。…まさか酔って達樹の部屋に、乱入したとか?」


「で、でも、部屋に入ってすぐ熟睡してましたから!」


「…ったく、何してんだか」

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