プロローグ

第1話

「ワタシタチ、どうなる?」

「リダ。大丈夫。ぼくを信じて。」


「ワタシ、アナタに、全てオマカセする。」

「うん。まかせていいよ。」


(まかせるなー!)


「ワタシタチ、ふたり、テにテをとって、」

「そう、二人でどこまでも行こう。」


(手に手を取るな!!)


(どこまでも?)


「行くなー!!」

と叫んで目が覚めた。



「美々子、大丈夫か?

すごくうなされてたぞ。」


目の前に、美しい元春の顔があった。


私を心配してくれる、切れ長の綺麗な目。

その目がじっと私を見つめている。


元春の後ろには、明るい車窓。


なだらかな山々が、車窓を流れていく。


私と元春は、列車に乗っていた。


そう。

私と元春、

二人だけで、遠いところに行くのだ。

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