第63話

昭和レトロな雰囲気の

喫茶店ビジュー


僕が店内ヘ入ると

内藤は、既に珈琲を飲んでいた


向かいの席に座る


「いやぁ~、どーもどーも。ご足労かけまして」


「いえ、かまいません。それで…不審な点とは?」


「それがですね~、あの家の近くを…

“女“がうろついているんですよ。」


「…女が?」


「えぇ。一瞬、同業者かと焦りましたがね

よくよく追ってみると…ありゃ素人だね~。」


スッと、内藤が…写真を見せる


四十代くらいの少し地味な感じの女が写っていた


「……知らない。初めて見ますね。」


「んー。“菊川きくかわ 律子りつこ“この名前に、聞き覚えは?」


「全く無い。」


「そうですか〜、…どうします?

この女も追いますか?勿論、別料金ですがね」


人の足元を見るかのような

いやらしい顔をして笑う、内藤…

元は…刑事だったらしいが、、


「お願いします。」


「わかりました、探ってみますよ。笑」


「じゃ、また動きがあったら連絡ください。」


「おっと!そうだ、男の方ですが…

ありゃ〜…酒に飲まれ始めてますな。

けっこう遅くまで飲んで、仕事も遅刻が

増えてる。…いずれ、クビになるでしょうな!笑」


「そうですか。では、また。」


僕は、店を出た

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