4

第17話

午後六時半......より少し前、いつもの居酒屋個室に入るとすでに羽村が座敷に座っていた。



「おまえ、いつもの居酒屋で......だけで終わるせなよ。文章になってねーだろ」


「でも来てるでしよ」


「それは俺だから分かるんだよ」


「へえ、そうなんだ。あ、梅酒ロックでお願いします」



店員に勢いよく注文を取る。



「で、なんだよ」


「安達に告白した」


「は!? え? いつのまに、てか聞いてないぞ」


「うん、今言ったから」


「なんだよそれ」



私は先に来ていたお通しを食べながら、あっけらかんと話した。



かたや羽村はわけがわからないとでも言いたげに頭を抱えている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る