第20話

第20話

俺が、泣いている間に

これから暮らす、アパートへ到着した。


「リュウ君、さ、着いたよ?」

「あ、はい!」


涙をぬぐいながら、車を降り

3階の部屋へと、案内された。


「今日から、ここがリュウ君の家だからね!」

「ありがとうございます!」


「じゃあ、これを。」

そう言って、蓮さんに

部屋の鍵と封筒を渡された。


…封筒は、結構な"厚み"があった。

あきらかに、お金だと分かった…


「あのぉ…蓮さん?この封筒は

受け取れないですよ…俺、自分で稼ぎます!」


「…リュウ君。もう、いいんだよ?

そんな事しなくても。

ってか、してほしくないんだ。」


「……蓮さん。でも!…「リュウ君!

終わったんだよ?君はもう、

"玩具おもちゃ"じゃないんだ!

自分を大切にしなきゃダメだ!」


………自分を、"大切"に?

俺は、今まで。そんな事を

考えたことすら無かった……。


「いいかい?リュウ君、

キミは、辛い過去を背負ってきた。

でもな、その分…いや、それ以上に

幸せに生きていいんだよ。」


「俺が…しあわせ………に?生きる?」

「そうだ!自分の為に、生きるんだ!!」


……自分の為に、幸せに生きる。。

まだ、実感できないけど…

その、蓮さんの言葉が胸に響いた……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る