第40話

颯斗の車の助手席に乗るのは…何だかとても久しぶりのことのように思えた。



運転席に颯斗が乗り込んですぐに出発した車。その車内にはほのかに…アルコールやタバコのような匂いが残っている。




「……昨日アイツら乗せたからタバコ臭いだろ?車内では吸わせてないけど、かなり酔ってて存在がヤニ臭かったから…気になるなら窓、開けて」




新車で今の車を購入した颯斗。彼が車を大事に扱っていることは私もよく知っている。颯斗自身喫煙者ではあるが、車では禁煙を徹底している。





「ううん、大丈夫…それより何時に帰ったの?」



「あぁ…3時過ぎくらい?鷺坂を送ったあと、修司しゅうじ洋介ようすけがラーメン奢るって言うから…3人でラーメン屋寄ってから帰った」



「そうなんだ…じゃ、あんまり寝てないね。ごめん送ってもらって」



「……別に。帰ったらまた寝るから」



こっそり、颯斗の横顔を眺めていると…視線を感じたのかチラッと一瞬私の方を見た颯斗。



すると…ゆっくりと手が伸びてきて、、

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