第11話

確かに凛ちゃんの言うとおりだ。




はっきりと気持ちを伝える前に諦めることほど、無駄な努力はないもん。



でも……。




「勇気が出ませぬ……」




チキンな私に告白する勇気なんてないよ。




話すだけでも精一杯なのに。




『勇気を出して!みーちゃん。いきなり告白は無理でも、少しずつ話しかけて行けばいいよ。おはようとか。そうやって一歩ずつ前進して最終的には告白すればいいと思う』



「凛ちゃん……」




そうだよね。凛ちゃんの言うとおり勇気を出さなきゃ。




このまま諦めてしまうのが嫌で話しかけたんだもん。




1度失敗したからってすぐに諦めちゃダメだよね。




まずは“おはよう”から頑張ってみようかな?




「うん。ありがとう。私、頑張ってみるよ!」



「うん。頑張ってね?じゃあ、私もう寝るから……」



「……ありがと。おやすみ」




凛ちゃんにそう言って、私は携帯の通話終了のボタンを押した。




一歩ずつ……か。




凛ちゃんの言うとおり前進しなきゃね。

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