第58話

「そう……でもないですけど、」


苦手というか免疫がないという方が正しいと思う。

でもそれは自分の責任なんだろうか?


仕事とプライベートの両立が難しいと思っている自分は、繭とか他のスタッフみたいに器用に生きていないと自覚はしているんだけど……。



「深野さんは自分では分からないかもしれないけど、結構モテると思うんだけど。」



「先生、何を根拠に言ってるんですか。アタシに興味があるその方の顔が見てみたいです。勘違いだったと思い知ると思いますよ。」


そう言うと浅野先生は白衣のポケットから自分の携帯を取り出す。



「会わせてあげるから。そしてそのヒトに深野さんの良さを聞いてみるといいわよ。」



彼女は、アタシの目の前でその誰かに電話をした。

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