第53話

家に帰るとシャワーを浴びた。


身体の痛みはなくなったけれど、あのヒトが付けた赤い跡は薄くなりつつもまだ残っている場所があった。


囚われている。


アタシだけが川嶋先生に囚われていると思った。

それは好きという感覚なのかは分からないけれど、気付けば彼の事ばかり考えていた。


相手はアタシとの事なんて、ただの一夜限りの出来事しか思ってないだろうし、……もうそんな事があった事すら忘れているかもしれないのに。


後悔と切なさが交互に押し寄せてくる。


それは、日を追うごとに酷くなるみたいだった。

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