堕天使 8

第36話

川嶋先生はアタシの髪に触れ優しく梳いた。


「俺の何かを知れば、りおこはそんな顔をしないのかな。例えば俺がどんな仕事をしているとか?何者か警戒してるんでしょ。」


アタシは無言で首を振る。


そんな事、言われなくたって知ってるもの。



「ふうん、そんなに俺に興味がない?俺がどんな奴でも関係ないということね……。」



「そうじゃない、です。」


「そうじゃない?じゃあどんな?」


「こ、こんな街中に建っているマンションに住んでいるんですから……それなりの方だと思っています。」



そう言い終えると、川嶋先生のシャツのボタンが彼によって外されていくのが視界に入る。


アタシはその後景に息をのんだ。

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