第92話
麻酔科のスクラブに着替えてオペ室に入る。
デュアルディスプレイの画面には浦崎波久と患者名の所に表示されていた。
「波久も人間だったんだな……、」
思わずそう口から出ていた。
するとオペ室担当のナースの何人かがクスクスと
笑っていた。
麻酔に使用する薬の準備を終えた頃波久がベッドで入室してきた。
「え、凪、お前が俺の麻酔かけんの!?」
「そうだよ、なんだよ思ったより元気そうだね。」
「マジかよ、俺を永遠に眠らせるんじゃねーぞ!?」
俺は無言でこのうるさい波久を手術台に移動させる、と周囲のスタッフに合図する。
移動させられた波久は諦めたのか静かになる。
「波久、」
声を掛けると波久は俺を見た。
「絶対俺の声で目覚めるから。」
そう言うと、
「オペ中お前の夢でも見てるわ。」
と、薄く笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます