Lovesick 20
第57話
セントラルモニターの隣にあるコピー機のスイッチ音がした。
そちらに目をやると……浦崎君だった。
目が飛び出るかと思った。
「まさか菜々がこの病棟にいるとは思わなかった。」
「……な、何しに来たんですか?」
「何しにって術前訪問。麻酔担当する患者さんに挨拶しに来たんだよ。」
そうなんだ、忙しい合間に患者さんの顔を見に来るなんて本当に大変な仕事なんだな、と思った。
「あれ、用紙出てこない。」
「……見てみましょうか?」
大体予測はつく。
「何処のパソコンから印刷物出そうとしました?」
「え、カウンターのところ。」
「用紙が出るプリンターの場所の設定が変わってるんでしょ。」
そう言ってもうひとつのプリンターを見つけると用紙を彼に渡す。
「ありがとうございます、彩さん。」
……軽々しくここで苗字を呼ばないで欲しい。
視線が痛いから。
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