Lovesick 30

第88話

「ごめんね、笹川さん。」


端のユニットで浦崎君は笹川さんに謝罪していた。

あれから1週間の絶交期間が解けた。


「本当ですよ!いい迷惑です!あんな事人前でしないでください!するなら彼女限定ですよ!」


バッチリアイメイクに戻った彼女は年上の浦崎君を叱りつけていた。

その光景が面白くてちょっと笑ってしまった。


そして浦崎君を可愛い、と思ってしまう自分がいた。

案外彼は不器用なヒトだ。

そして普通の……男性。


高校生の時、あまりにも自分とはかけ離れた存在の彼だったからそれを引きずっていたけれど。


好きだなぁ、と思った。


そう思った瞬間我に返ったようにハッとする。


今、凄く自然に好き、って彼を思った……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る