第33話

システムが通常に戻ったのは翌朝の7時を過ぎていた。


安心して睡魔が襲ってくる。

職員通用口から出ると晴天だった。

お約束のように思い切り背伸びをする。


「終わった?」


声の主は浦崎君だった。


「浦崎君、おはよう。」


「……おはよ、やり切った顔してるね。」


「それはもうなかなか再起動してくれなくて。」


「俺は再起動出来ずに出勤なんだけどね。」


そう言われて昨日の事を思い出す。

もしあのまま彼の部屋で過ごしていたら……、


私の困った表情を見て彼は笑った。


「栄養補給してないんだよね、頂戴。」


そう言って不意打ちにキスされる。


え、ここ外なんだけど!

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