第30話

どうした私、まさかマジでいけない身体になってしまったとか?



 マジかマジか、有りえん。それだけは勘弁してくれ。




 


 いつまで経っても、ヒナタ君は戻って来る気配がなくて、心配になって表に出てみれば....。



 入口の硝子越しに見える光景は、店先で何やら高身長な男たちに囲まれてるヒナタく....




ーーーって、ぇぇえええ〜⁉︎







 急いで店内を突き抜けて扉を開けば、またしても奴が居たのだ。





「....もう、営業終了ですので、って杏ちゃん?」




 私が出てきた事に吃驚したヒナタ君が私の姿を見るや否や、私を守る様に前に立ち塞がった。




 だけど、そんな彼の厚意も押しのけて物申す。




「こんな所まで来て何のつもり!?」









自分オレの女の浮気を堂々と見過ごす程、心が広い訳じゃねーんだわ。」





 今日も今日とて強面二人を引き連れて、私の邪魔をしにやって来た詠斗は、私の身体に触れるヒナタ君の腕を掴むと引き剥がし....











 思い切り、拳を振り下ろした。







 ゴンッと、骨がぶつかる鈍い音と、アスファルトに打ち付け倒れるヒナタ君の姿を捉えて、





一瞬....呼吸をする事を忘れる様に、思考は停止した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る