第18話

「杏ちゃん、これは流石に萎えるわ〜。」





 翌日、私の職場にやって来たセフレのケンちゃんは、昨日の連絡を無視した事を詫びて来た。そして今夜会う事になったのだが....


いざムードが昂まり洋服を脱げば、冒頭の発言に戻るのである。






・・・まあそうなるよね〜。と薄ら笑いを浮かべた。






 昨日山田組とかいうヤクザの若頭に付けられたキスマークは、無数に広がり虫刺されとかそんな言い訳が通用しないくらいに酷い有様であった。






「誰よ、みんなの杏ちゃんにマーキングした馬鹿な男は....」




「ーーーそれが例の童貞くん。」




「え、マジ⁉︎二度目は無いんじゃなかったの?」




「....アイツは異常だよ。」




 


 探したぞ....。俺の女。責任取れるしな。脳裏を駆け巡る奴の台詞たち。





 



 思い出しただけでムカつく。あの後、屋敷内で強面たちに見られに見られながら逃げる様に出た。



 外は真っ暗だし、終電も無いし。道端に通りすがったタクシーを拾って帰れば、アフターピルを探すのに手こずって....



なんとか見つけた最後の一個を飲んだけれど、安心なんか出来なかった。







「ケンちゃん、私殺されるかも....」





 今更ながらに、ヤバイ男の童貞を奪って、何故か俺の女認定?



 怖いもの知らず、というか中出しされた事に激昂して、突き飛ばしたのは流石にまずいかな....




 落とし前つけろって、任侠モノの指を詰めろ!とか無いよね。



 まだ私は生きてたいし、最早もう十分って思うほどエッチしたいしね。

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