一夜の過ちは計画的に、

第2話

その日、セフレの男にドタキャンされてた私は、偶々見掛けた男に声を掛けたんだ。




 恐ろしい程の端正な顔立ちに見つめられたら、吸い込まれてしまいそうな漆黒の瞳からは目が離せない。





「女の抱き方なんか分からねー。」





 ....堂々と告白する童貞。




 こんな美形が⁉︎なんて目を疑ったが、ホテルでいざ行為に及ぼうとした時、私に触れる指先はぎこちなくて....





「いいよ、私が気持ち良くしてあげる。」





 性行為セックスの快楽は、一度味占めたら病み付きになる。




 そんな私の一方的な価値観を押し付け、その男の童貞を奪った。





「いきそうになったら言ってね。」




「ぅっ、わかんねー、けど、出そうな気がする。」




 本物のうぶだった。男だったら皆、必ずしも抜いたことあるんじゃないの?








 仰向け姿の男を見下ろしながら、歴然とする経験値の差にクスッと笑みを浮かべた。



 腰を浮かせては振り下ろす。私のトロトロになった中で、男は初めての経験を得たのだ。










「今日はありがとう。...またね。」



 初体験に意識が朦朧とする男をひとり残して、お先にホテルからお暇する。





 またね。なんてあり得ないんだけどね。





 何処の誰かも知らない美男子イケメンくん。







「......。」





(さよなら.....。)

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