第20話

すると天真はバサッと、黒のTシャツを脱ぎ捨てた。

引き締まった裸の上半身。


「っ、」


とっさに視線をずらした。



「別に脱がなくても、少し離れてくれればいいのに、」



「何でだよ。匂いが嫌なんだろ」



「っ、とりあえず裸のままは良くないから服貸すね?用意するから待ってて?」



そのまま、ベッド下の収納ケースから黒のトレーナーを見つけて天真に渡した。

ちなみにこれはお兄ちゃんの物。よく泊まりに来るからお泊り用として置いてある。



「はい、これ着て?ちゃんと洗濯してあるから大丈夫だよ」



天真は受け取ったものの、眉を寄せて聞いてくる。



「これ、男物じゃん。誰の?」

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