第27話 君がいなくても過ぎる日々 その五

 まさぽんた様、応援ありがとうございます。

 大変、励みになります。この場を借りて御礼申し上げます。  閑古路倫

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 結論から言えば、俺達の文化祭デビューはなんの問題も無く、うちの学校“工業祭”と言う名前の、文化祭でした。

 ほぼ、9割男子のクラスでクラス行事が盛り上がるはずもなく、メイド喫茶もコスプレも

異世界のお話しでしか無い。

 まぁ、うちのクラスは、担任の細野の企画“ベヌルーイの定理の誤解を解く“と題してのパネル展示を、2〜3人の、お利口ちゃんと一緒にやってくれていた。ご苦労さん!

 俺達は、週一回のカノミーとの”音合わせ“の後。最近お気に入りの”エミちやんママの店“で、スコーンとミルクティーを頂きながら。我らの天使様!エミちやんの微笑み!に癒されていた。

 「「「と言う訳で我が校の、栄えある”工業祭“に、カノミー!君を招待しよう」」」「俺達と一緒に、飢えたオオカミ達の目の前で、丸裸の子豚のダンスを踊ろ〜ぜ!」「「「勿論、丸裸は、君だけ!」」」

 「あんた達!あたし!舐めてると、打つよ!」「ボッコボッコに!してやるから!」

 「カノミー、心配いらないぜ」「「「オオカミ達の群れからは、俺達が守ってみせる!」」」「でも、カノミー男らしいから、要らないかな?俺らのガード」

 「ちょっと、どこ見て言ってんの!」

 「「「勿論、ペッタンちゃん」」」

 「ッ、歯の根、ガタガタに、したる!」「お前ら!」

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 「まっ、今回は間に合わないにしろ、欲しいよな、オリジナル」「カノミー、”お尻の歌“だめ?」「ガキじゃ、無いんだよ、バンドの名前と合わせたら、うちらコミックバンドだよ!」「あんたらは、見た目通りで良いかも!だけど、私はね...」

 「ン、じゃ”チンコ行進曲“?」j

 「そんなの、許せる訳ないでしょ!分かれ!馬鹿共!」

 「俺、演奏やりたい、イメージがあるんだけど、”Take the money and run“みたいなやつ!”Steve miller band“の」

 「えっ、何、テイク、ザ、マネー、アンド、ラン?スティーブ、ミラー?バンド?」

 「あっぁ、一寸さん俺らと時代違うから!」「ボニーとクライドみたいな、愛と欲望と暴力」「”明日に向かって撃て“みたいな」「ブッチ・キャシディ、サンダンス・キッドとエッダみたいな、アウトロー」

 「マー君とミー君とガッコみたいな...」

 「へっ、えっ!」「ちょっと、止まろう、一寸さん!」「あんた、いつ時代のタイムスリッパーよ?」「はぁ〜、ごめん」「俺、祖父ちゃん子だったから、家の祖父ちゃん、アメリカンロック大好きで!」「それの、影響かな」「とりあえず、軽いノリのロックでダンサブル、明るく、バカっぽくて、そんで、悲しの」「悲しい、は、余韻で表現したいな」「そんで、”Steve miller band“な、訳」

 「すっごく、具体的なのに、さっぱりわからん!」「まぁ、良いわ、一寸さん、あんたが歌詞書くのね」「「うちの、リリックメーカーは、ゆーしゅうだぜ!」」

 「”お尻の歌“とか”チンコ行進曲“の、何処が、ゆーしゅうなのよ!」「取り敢えず、工業祭は、来週でしょ、演奏るのは、この間と一緒の三曲だね!」「「「イエス、サー、マム」」」

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 俺は、夕食後、自室に籠った。詩作にふけるためだ。ストーリーを作る。モデルは、ボニーとクライド、我儘勝手で、欲望に忠実、自分達の為なら殺人も犯す。面白おかしく生きていけると信じ切って、家を出る。現実を知るたび、恐ろしくなる。世界が、神さえもが、自分達を消そうとしていると知って。

 毎日、誰かに見られる。通報される。逃げ回る日々。楽しくなるために、していた事が、恐れから逃げる為だけのモノに、変わった。したいから、する。じゃなく、しないと生きられない。あんなに自由だった!二人は何処に行ってしまったの?


        Ride on


  朝、目が覚めた 気分が良くて

  車に乗って 街に出た

  お前を見て すぐに気付いた

  俺のモノだと 声を掛けたら

  気安くしないでって 目で見られた

  でも、分かったよ 嫌いじゃないと

  助手席の ドアを開けたら

  Hey!Ride on

  欲しいモノなら 有るところから

  いただけば良い 躊躇わないで

  邪魔な奴らは 消しちまえば良い

 

  昼過ぎるまで 寝て目が覚めた

  隣で眠る お前見た

  俺は起きて シャワーを浴びた

  何のことだと 考えてたら

  お安くないわよって 言って笑う

  でも、分からない 満足なのか

  運命の 扉開けたら

  Hey!Ride on

  足りないのなら 欲しいモノから

  足してけば良い 戸惑わないで

  邪魔にされたら 逃げちまえば良い


  真夜中過ぎに 不意に目覚めた

  横のお前の 涙みた

  俺は知った 手遅れなんだ

  不安を抱え 迷っていたら

  逃げるだけは嫌だって 泣いて言う

  でも、決めたんだ お前といると

  断罪の 扉開けたら

  Hey!Ride on

  消えて行くなら 俺の方から

  消しちまうんだ 思いのままに

  二人の事が 残らぬように


 まぁ、こんなものかな?

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 私達の高校にも、文化祭の季節がやって来た。私は、中学の頃はコーラス部に所属していた。でも、高校生になってからは、帰宅部だ。だから、文化祭への参加は、クラスでの参加だけだった。

 飲食に関する企画には、食中毒の発生を考慮して、各クラス単位の企画は許可されなかった。それに代えて、調理実習室を使っての料理コンテストが行われる。参加単位はクラス毎でも、グループでも可としたが、有志数人の参加でクラス全体の参加が認められるので結構人気になった。

 料理のテーマは、私達の高校のある町が漁港の町という事で、魚料理、イワシ、アジ、サンマ、カツオ、ブリの魚種5部門で一品、料理を作りその売れた数を、競うというものだった。

 優勝は部門毎になり、その中で一番数が出たものが総合優勝となると言うものだった。

 当然の様に、我がクラスも参加となり、クラス内で協議の結果、我が家のオリジナルカツオのミルク煮が選ばれた。

 調理は非常に簡単で、熱したフライパンにオリーブオイルを多めに引いて。スライスしたニンニクを5〜6片加えて。香りが立ったらカツオの切り身を投入。ニンニクが焦げ過ぎないタイミングで、ミルクを入れてフライパンに蓋をして蒸し煮にする。後は、醤油と胡椒、バターを溶かして、味見して完成。

 調理は簡単であったが、調理リーダーは私、サポートに寧子と結海が付いてくれた。

 それに加えて、男子の西城さいき君と小歳こさい君が、手伝ってくれる事になった。

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