ヤンデレ姉妹達のいる日常プロローグ十二話終

五、六限の授業中に二海華の携帯にメッセージを送ったりしたが既読はつくことがなく放課後になってしまった。


「零夜君」


「睡蓮、昼休みは悪かったな、まさかあんな所で鉢合わせになるとは思ってなかったから」


「ううん、もう過ぎてしまった事だし、それで二海華ちゃんの事だけど」


「メッセージを送っても既読がつかないし、五限が終わって二海華のクラスに行ったら先生に体調が悪いって言って早退したらしい」


「多分私の事はもう他の姉妹達にも知られたって思った方がいいかな?」


「ああ、そうだな」


「あぁぁぁ、折角バレずに日本まで戻ってくる事ができたと思ったのに……まさかこんな所でばれるとはね~」


「悪い」


「もう謝らなくていいって、それよりも今後の事だけど」


睡蓮が話をすると突然睡蓮の携帯から着信音が流れてきた、睡蓮はその場で携帯を確認する。


「親からだからちょっとでていい?」


「ああ、話が終わるまで待ってるよ」


睡蓮は教室の窓際まで行き電話に出る、少し聞こえてきた電話の会話から親とは時間について何か話しているみたいだった。


数分で会話を終えて携帯をしまい睡蓮は戻ってきた。


「ごめんちょっと急な用事できたから今日の話はまた今度って事で」


「おい、睡蓮」


睡蓮は俺の制止も聞かずにそのまま鞄を持ち急いで教室からでていく。


「はぁぁ……」


あの後睡蓮に連絡しても連絡がつかなく、教室にいても仕方ないので家に帰ってきてしまった、正直今は家に入るのだけで気が重くなる。


「ただいま」


玄関を開けて家の中に入ると違和感に気付いた、靴が一足もない。

普段ならそこまで気にしないが家に引き籠もっている三愛と四織の靴までないのがおかしすぎる。


「おにいちゃん、おかえりなさい〜」


リビングには五叶がいて二海華が作ったと思えるご飯を口にしていた。


「五叶、一翠姉さん、二海華、三愛、四織、六夢のみんなはいないのか……?」


「みんな? えっとねみんなは用事ができたとか言って三十分くらい前に家からでて行ったよ」


もの凄く嫌な予感がして睡蓮に連絡するがまた留守番電話になってしまう。


「おにいちゃん?」


少し前の陽菜ちゃんの件もある、何度も、何度も電話をかけ続ける。


「零夜君、ずっと電話してきてるみたいだけど何」


何十回目の電話でようやく睡蓮が電話にでて安心した。


「いや、ちょっとな姉妹達がもしかしたら睡蓮の所に行ってるかもと思ったんだが」


「誰も来てないよ」


「そうか……何度も連絡して悪い」


「心配して連絡してくれたんでしょ、別に気にしてないからいいよ」


睡蓮との通話を切り、それなら姉妹達がどこに行ったのか考えている最中に五叶が呟いた。


「おにいちゃん、おねぇちゃん達がどこに行ったか知りたいの……?」


「そうなんだよ五叶はお姉ちゃん達がどこに行ったか知らないよな」


「私なら分かるよ」


「本当か五叶」


「うん、付いてきて」


浮いて移動する五叶を追って俺は家を飛び出す、五叶を追って着いた場所は以前まで営業していた商業施設の解体工事中の場所であった。


「五叶、ここにみんながいるのか……?」


「うん、ここにいるよ」


五叶は浮いて移動しながらシートを通り抜けていく、俺もシートをめくって中に入る。


もう夜になっているので中に入ったら暗くて見えにくくので携帯のライトを照らして浮いて移動している五叶の後をゆっくりと追う。


「あれ……」


「どうした五叶」


五叶は突然止まってしまい床に落ちていた機械を手にする。


「これ、みんなに仕掛けていた発信機」


今五叶は持っている機械を発信機と口にした確か数日前に俺も五叶から似たような機械を受け取っていた。


「発信機って居場所を特定する為の機械だよな……?」


「うん、これは私が作って普段からみんなの服とかに鞄に仕掛けていた。それで私の頭の中に居場所が流れてくるんだけど、でもこれは誰かが意図的にこれをここに置いたっぽい」


「誰かが意図的にって……一体誰が何の目的でここにそんなのを置いたんだ」


「わからないけど、おにいちゃんここにいたら危険かもしれないから、今すぐこの場所から離れた方がいいかも……」


「さっきから誰と会話してるんですか……?」


後ろから知らない人物の声がする。声の特徴から男ではなく女性のようだ。


「あなた五叶ちゃんだっけ……?たしか死んだって話だったけど……あーそういう事」


だんだんと声の主は俺達に近付いてきている。それよりも今五叶の名前を呼んだ事より五叶が見えている事に驚いた。


「あなた誰……?」


「誰って言われて簡単に答えるわけがないでしょ……」


「おにいちゃん!!」


後ろから突然口元に何かを嗅がせられてしまい倒れ込む。


「おやすみなさい零夜お兄様……」


最後に見たのは俺と年齢が同じか下くらいの女の子の笑顔だった。


ヤンデレ姉妹達のいる日常プロローグ終

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