第26話

家に帰りスーパーで買ってきた物を食べながら


拓真ってお酒飲んだらどんな感じになるんだろう…


家では萌がまだ未成年のため


拓真はお酒を飲まない。


豹変しちゃったりするのかな…


でも仕事の会食でお酒飲んで帰った日も


普段の拓真と変わらないしな…




萌は拓真が帰ってくるまで起きて待っていようと


思ったが、仕事の疲れもあり寝てしまった。




・・・・・翌朝


萌「ん…?拓真…おはよ」


拓真「あぁ、おはよ!


   もう朝飯できてるぞ!」


眠い目をこすりながら「あぁ…ありがと!あたし


寝ちゃったんだ!起きて待ってようと思ったのに」


拓真「いいんだよ、そんなこと。


   ずいぶんぐっすりだったな!


   いびきかいてたぞ」


ネクタイを締めながら萌をからかってやる。


萌「う、うるさい!」


ふとネクタイに目がいく。


萌「そのネクタイ結構使ってるよね?」


「あぁ、これ?」萌に聞かれ、青い色にひし形模様の入ったネクタイに目を落とす。


ずいぶんと使い古されている。


拓真「社長としてやっていくぞ!って


   決めたとき自分で買ったんだ」


萌「そうなんだ…似合ってる!」


拓真「だろ?まぁ、俺は何身に着けても


   似合うからな!」


その言葉は聞き流し、萌は朝ご飯を食べようと


椅子に座る。


拓真「おい!スルーかよ」拓真は大げさに


ずっこけるポーズをしてみせた。


萌「いただきまーす」


拓真も椅子に座り一緒に食べ、


後片付けをし、バタバタと仕事の準備をして


会社に向かう。






仕事の休憩時間、部屋を見渡しゴミを片付けようと


思った萌はいらなくなった書類をシュレッダーに


かけていく。


拓真「この書類以外は全部捨てていいから」


書類を机の上に置きそう言い残して


部屋を出ていった拓真。




えーっと…これとこれとあとこれも…と次々に


シュレッダーにかけていく。


やりながら考えていたのは


昨日と同じこと。


お酒飲んだ拓真が自分の前で豹変するのが怖い…




萌「!?」


考えているうちに必要な大事な書類まで


シュレッダーにかけてしまっていた。




どうしよう…どうしよう…


もう粉々だよ…




、、、とそこに拓真が戻って来る。




固まっている萌に「萌?どうした?」


拓真は声をかけるが萌の耳には


届いていないようだった。


拓真は萌に近づき泣きそうな顔をしている


彼女に気付く。


その顔と萌の視線を辿って拓真は理解した。


「俺ちょっと行ってくるから!


 お前はそこで待ってろ!


 いいな!」


萌「へ?…あ、うん…」


拓真はバタバタと走ってまた部屋を出ていて


しまった。

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